2007年03月23日
石塀小路の魅力
京都東山・花灯路が終り、二日が経ちました。東山を歩いておりますと、色々と風情がある道が数多く御座います。どちらもゆるりとした情緒が御座いますが、そんな中で私が一番好きな場所が石塀小路で御座います。
石塀小路は、東は『高台寺ねねの道』から西は『下河原通り』までの少し勾配のある石畳の小路です。京の趣き深い町家が立ち並び、基礎の部分には切り立った石垣が小路を彩ります。道に使われております石畳は、その昔、京都市内を走り、市民の足として活躍をしておりました「路面電車」の敷石を用いて、敷き詰められたもので御座います。
この辺りの地域は、もともと普段は静かで風情豊かな地域で御座います。そのため、普段は地元の方々が、心静かに散歩をされていたり、近所のお子さんが遊んでおられたりして、京都の工事らしい一面も持ち合わせております。また、テレビ朝日で制作された番組「新・京都迷宮案内」の主人公・杉浦恭介(橋爪功さん)が下宿する「田舎亭」さんも、実際にこの小路に軒を連ねる御宿で御座います。
そんな京都の風情を持つ「石塀小路」も夜になりますと表情が一転し、料亭や旅館、スナックといったお店がシットリとした明かりを灯し、東山の奥座敷としたとてもしっとりとした風情を持つ静かな情緒ある表情を見せてくれます。特に、雨の日になりますと、石畳が濡れる事で、明かりが濡れた石畳に反射をし、またしっとりとした風情により深みが増してまいります。そんな中を番傘一つ差して、ゆったりとその空気を感じながら歩いてみるのも、また京都の感じ処ではないでしょうか。
人が多い場所ではなく、人が少ない場所だからこそ、本質的な京都が感じられるように思います。場所自体だけではなく、その場所自体が持ち合わせている空気感を静かに、そして、時には立ち止まったりしながら味わうのが、本質的な京都流の楽しみ方で御座います。
*写真は「東山花灯路2007」期間中の石塀小路にて。
Posted by 一匹狼★NOB at 12:41│Comments(0)
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