2007年08月09日
六道珍皇寺【六道参り】
京都では、お盆が近づくと多くの人が「六道の辻」界隈のお寺をお参りする風習があります。沿道には夜店が立ち並び、多くの人々がこの地区を訪れます。そのお参りを【六道参り】といいまして、御先祖さんをお迎えに参ります。
『六波羅密寺』や『六道珍皇寺』が御座います松原通りの辺りは、今でこそ静かな京都の町並みが御座いますが、平安時代には鳥辺野といわれており『風葬の地』とされていました。亡くなった人を、この辺りまで運んで引導を渡されたことから、この世と冥界の入り口とされて言われておりました。西福寺さんの前には、「六道の辻」と書かれた石標が立っています。
さて、その界隈に御座います『六道珍皇寺』では、毎年この時期に【六道参り】が行われます。【六道参り】とは、お盆にあの世から帰ってくるご先祖様(お精霊[しょらい]さん)をお迎えする伝統行事です。参道で高野槙を買い求め、本堂で購入した水塔婆[みずとば]にお坊様に戒名を書いて頂いて、『迎鐘』と呼ばれる手元に引いて、鳴らす鐘を撞き、お地蔵さんの前に並べられた場所で、高野槙を水に浸し、水塔婆に水を掛けて御供養を致します。そうする事で、御先祖さんが我々の家へと帰ってこられるとされています。
境内には、多くの人々が高野槙や水塔婆を求めて、列を並んでいらっしゃいました。お盆に御先祖さんをお迎えするという伝統風習が今でも京都人の息づいていることが感じられます。六道参りの事を『おしょらいさん』という事もあります。おしょらいさんとはご先祖様の事を言うのですが、お迎えする事を総称して、こう呼ばれるようになったのだと思います。
「迎鐘」を撞くことには深い理由があります。それは、お盆が近づき、この世へとお戻りになるおしょらいさんが、あの世からこの世へ向かう途中で迷い込まないように鐘の音色をあの世まで響かせて、導くという意味を持っています。
うちでは、先日におしょらいさんをお迎えしまして、お坊さんにもお越し頂きまして、読経をあげて頂きました。しばらくは、おしょらいさんに家でゆっくりとして頂きたいと思っております。
Posted by 一匹狼★NOB at 19:07│Comments(0)
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