矢取神事【賀茂御祖神社】

一匹狼★NOB

2008年08月07日 04:27

昨日の八月六日(水)、下鴨神社(賀茂御祖神社)にて『矢取神事』が滞りなく御斎行されました。矢取神事とは、一年の厄を祓い、無病息災を願う神事でございます。御手洗池の周りに斎竹を囲んで清めまして、池の中央に斎矢を立てまして、氏子・参拝者から奉じられた人形(ひとがた)を神職が池へと流すと同時に氏子中の裸男が一斉に、この斎矢を取り合うという勇壮な神事です。この神事は、下社の御祭神であられる玉依媛命が川遊びの折に、流れてきた丹塗矢を拾い、奉ったことにより、ご懐妊をされ、賀茂別雷大神をお生みなられたという賀茂社に由来する故事によって行われてきた神事でございます。

今年は夕刻から非常に黒い雲に覆われ、局地的な大雨・雷に見舞われましたが、賀茂の大神の御神意であるかのように神事の前には雨が止み、平生の糺の森を様子を取り戻す中、神事は定刻通り行われました。(今年は予定通り、写真は撮らず。)本殿にて、裸男と崇敬会の皆さんの参列の中、神職による奉告祭を執り行ない、神職は井上社にて、中臣祓を奏し、御手洗池や斎主、神職や崇敬会の参列者、そして、参拝者を祓い清めます。

そして、修学院の子供たちによる太鼓の奉納演奏。その後、太鼓の合図とともに、裸男たちは境内を駆けて、御手洗池へと走って向かい、御手洗池の両岸に分かれて、足踏みをしながら、そのときを待ちます。斎場の四角と井上社正面には神職が並び、奉納された人形を持ち、タイミングを見計らって、一斉に人形(ひとがた)を池の上へと撒きまじめます。それを合図とし、裸男たちは一斉に池へと飛び込み、中央の斎矢を取り合います。池の内は水飛沫が上がり、上空には神職の流す人形(ひとがた)がひらひらと舞い散り、池の水へと流れされていきます。神職は松明に灯された参道を静々と進み、楼門に取り付けられた茅の輪を潜って、神事を終えます。今年も無事に矢取神事は御斎行されました。

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