上賀茂神社【大祓式・夏越神事】
風そよぐ ならの小川の 夕暮れは
みそぎぞ夏の しるしなりける
----藤原家隆----
京都・上賀茂に吹く風は、梅雨といえども涼しくとても気持ちいいです。そんな上賀茂さんでは、六月三十日、京都の夏前の風物詩である「大祓式・夏越神事」が静かに執り行われました。
午前に行われるこの神事は、古式に則って行われます。神職を先導に崇敬者を伴いまして、夏越祓の古歌である『みな月の なごしの祓へするひとは ちとせのいのち のぶといふなり』と心の中で唱えながら、茅の輪を三回潜ります。
橋殿におきましては、以上のように斎串・麻縄・切幣・人形という祭具が準備されています。
神職は橋殿に昇殿し、着座を致します。崇敬者が参列し、見守る中、祭儀を斎行されます。まずは、神職は、斎串で身を清め、切幣(きりぬさ)を用いて、身の罪穢れを祓います。そして、木で作られた人形(ひとがた)に身に残った穢れを移し、ならの小川へと投げ込むことで、身を祓うのであります。
そして、橋殿の端にて、独特の祓を行います。それが、御覧の麻布を切り裂き、切れ端をならの小川へと流すという独特の作法です。
こちらを行い、祓う事で一連の夏越神事を滞りなく終了し、神職は橋殿を降殿し、そのまま、崇敬者を伴い、本殿へと参進を致しまして、本殿にて奉告祭を斎行致しました。
夜には、夏越祓の儀が行われましたが、そちらのほうは別記事にてご紹介を致したいと思います。この折に、私は毎年の通り、人形をお納めさせて頂きました。
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