人日の節句・七草粥【生活】

一匹狼★NOB

2010年01月08日 17:05


 昨日は一月七日。となりますと、正月気分も過ぎ、少し落ち着いてきた頃。そんなこの日にいただくのが「七草粥」でございます。
 古くは中国前漢の時代の書物『荊楚歳時記』に五節についての記述があります。そこには「正月七日、人日と為し、七種菜を以って羹と為す」と書かれており、「人日(じんにち)」がこの一月七日であります。正月には様々な事が占われており、この一月七日には「人」における吉凶を占いが行われていました。(正月一日は「鶏」、二日は「狗」、三日は「猪」、四日は「羊」、五日は「丑」、六日は「馬」、八日は「穀物」に関して占っていたそうです)

 この人日の粥を七種菜羹(ななしゅさいのかん)と呼ばれ、無病息災を願ったそうです。そして、当時は羹(あつもの)、つまり汁物であったようです。

 日本に伝来して以来、以前より行われていた「若菜摘み」とが相まって、この日に行われる宮中行事「供若菜(わかなをぐうす)」になっていったとも言われています(諸説有)。また、平安時代より、七草粥とは別に一月十五日に小豆、胡麻、黍(きび)、粟、六折草、稗、米を粥にして食し、邪気を祓う十五日粥(七種粥・望粥)という行事もあったとのこと[これは、のちに小豆粥(あづきがゆ)になったとのこと]。

 ちなみに、羹から粥となったのは室町以降であったようです。そして、五節句が公式に定められたのは江戸時代とのこと。七草も室町頃に現在の形「セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロ」に定着してきたようです。(諸説有)

 さて、京都の古い家では、多分六日から準備が行われていたんではないかなと思います。それは、七草の前日におかあさんとかおばあちゃんが、だいどこに火箸、すりこぎ、おろし金、杓子等を準備して、お囃子「七草ナズナ 唐土の鳥が 日本の土地へ渡らぬ先に 七草ナズナ~」を歌いながら、一種につき七回ずつ包丁の背で叩いて作られる風習があるからなのですが、みなさまのおうちはいかがでしょうか?

 私も昨日は神社にて、七草粥をいただきました。横にはすぐきを添えられており、久々にお会いした方々ともお話をしながら食させていただきました。そういえば、七日が松の内の最後の日にあたりますし、その日にこの粥をいただくというのも先人の知恵のひとつの知恵なのではと思います。正月の御馳走をいただいた分、身体を休ませる意味を込めて、温もりがあり、身体に優しい菜食をいただくということが、心にもほっとした安らぎを与えてくれるように感じました。
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