Ｓｔ.ＫＹＯＴＯ

祇園祭は、山鉾巡行が中心ではありません。『八坂の大神』様が神輿渡御される事によって、お祭りとしての中心が成立するものといえるのです。その神さんが渡御されるために用いられるのが御神輿さんです。八坂神社には『西御座』『中御座』『東御座』という三つのお神輿が御座います。そのお神輿にお遷りする前に、鴨川の水を用いて清祓う神事が行われます。その神事用の水を汲み上げ、清祓する神事が早朝、行われました。

定時。仲源寺に準備された神用水を汲み上げる桶を持ち、八坂さんからの神職及び宮本組の皆さんが鴨川に向います。そして、祓いを行った後、四条大橋から鴨川へと桶が投げ入れられ、神事用の用水(神用水)を汲み上げます。元々は、鴨川に沿って流れる宮川の水を神事用水として用いていたのですが、現在は鴨川の水を用いて、神事を執り行っております。



このような光景が見られるのも京都独特でしょう。四条大橋には齋竹を張り、その間で神事用水の汲み上げが行われるのです。これは、川に宿る神さんの御神徳を用いて、八坂の神輿さんの清祓に用いるのです。この神用水は、夜に行われる『神輿洗い』という神事に用いられます。



榊幣を中心に立て、その奥に神用水を並べて、神職によって「大祓詞」が奏上されます。これを行うことにより、この水を祓用の神用水として清祓を行うのです。大祓詞の奏上後、神用水には蓋を閉めて、この場所にて保管されました。